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赤い川

décembre 9, 2014 - fragments de souffles

赤い川


背負っていた荷物の重さと
それを放った赤い川の深さを
知っているのは
君だけだった

君の横にある命が消えていく絶望と
僕の横にある無自覚の命への哀れみは
姿を変えて
僕らが生きることへの罪になった
あの頃の僕らには
飲み込もうとしても飲み込めなくて
僕らは、心の奥底に、
ただ黒くどんよりと居座っている何かに
蝕まれるだけだった
底なし沼に沈んでいきそうな僕らに
誰も気づかなかった
誰かのせいだと言えたら、
どんなに楽だっただろう

僕らは、
大人になって、
雲の上で笑おうと決めた
あそこに流れる赤い川が
見えなくなるくらい
高く浮かぶ雲を漕ぎながら
僕らは、
笑おうと決めた